標・注連(読み)しめ

精選版 日本国語大辞典 「標・注連」の意味・読み・例文・類語

しめ【標・注連】

〘名〙 (動詞「しめる(占)」の連用形の名詞化)
① 神の居る地域、また、特定の人間の領有する土地であるため、立入りを禁ずることを示すしるし。木を立てたり、縄を張ったり、草を結んだりする。恋の相手を独占する気持や、恋の相手が手のとどかないところにいることなどを、比喩的に表現するのにも用いる。
万葉(8C後)一一・二八三九「かくしてやなほやなりなむ大荒城(おほあらき)浮田の杜(もり)の標(しめ)にあらなくに」
② 「しめなわ(注連縄)」の略。
※中右記‐承徳元年(1097)五月三日「御服所南廊寮下部等しめを令引了」
③ (「ゆうしめ(木綿注連)」の略) 白布で編んだひもで輪を作り、首にかける修験袈裟(しゅげんげさ)
俳諧・曾良随行日記(1689)日記本文「浄衣法冠・シメ斗にて行」

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