棘・荊棘(読み)おどろ

精選版 日本国語大辞典 「棘・荊棘」の意味・読み・例文・類語

おどろ【棘・荊棘】

〘名〙
① (形動) 草木いばらなどの乱れ茂っていること。また、その所。あるいは、そのようなさま。やぶ。おとろ
※小川本願経四分律平安初期点(810頃)「若し石・樹の根・棘(オドロ)・刺(むばら)有らば、却くべし」
※能因本枕(10C終)四四「おとろなる垣ねなどに、いと白う咲たるこそをかしけれ」
冬季、柴を束ねて水中に沈めておき、魚を集めてとる仕掛け。
散木奇歌集(1128頃)雑上「ふしつけしをとろの下にすむはえの心おさなき身をいかにせん」
③ (形動)(①から) 髪、ひげなどが乱れているさまのたとえ。→おどろの髪
※あやしやな(1889)〈幸田露伴〉七「白銀の針をあざむく長き髪おどろにふり乱し」
④ 枯れた小枝。枝つきのたきぎ。雑木の小枝。
※浮世草子・近代艷隠者(1686)二「薪(ヲドロ)に薄(すすき)(ゆい)まぜし築垣したる家あり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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