桃山(菓子)(読み)ももやま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「桃山(菓子)」の意味・わかりやすい解説

桃山(菓子)
ももやま

和菓子の一つ。焼き菓子の一種白餡(あん)に砂糖卵黄、これに少量のみじん粉(こ)または葛粉(くずこ)を練り混ぜて焼き上げたもの。栗(くり)まんじゅうなどとともに現代になってからの製品で、初めは形も小ぶりであったが、いつしか中に餡を入れた姿の大きめな桃山もつくられるようになった。桃山の菓名は、菓子そのものが卵黄を仕込んだ餡でできているという素材の豪華さ、焼き上がりのきめがしっとりと華やいだ趣(おもむき)を備えているところから、絢爛(けんらん)の桃山時代にちなんで名づけられた。餡の部分を表面に押し出す考えの底には、黄身しぐれや練り切りの姿があり、天火焼きの手法が加わって桃山種の呼び名を生んだ。

[沢 史生


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android