染出(読み)そめだす

精選版 日本国語大辞典 「染出」の意味・読み・例文・類語

そめ‐だ・す【染出】

〘他サ五(四)〙
① 染めて色や模様などをあらわし出す。そめいだす。そめいず。
※近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉五「立丸の内に水といふ字を染出(ソメダ)したる幕さへ張りて」
② 光などが、染めたかのようにあたりの色や姿をあらわし出す。
※俳諧・西鶴大矢数(1681)第一二「水は巴の字をきっぱりと〈吟行〉 月の色なを染出してちらし文〈西習〉」

そめ‐だし【染出】

〘名〙
① 色や模様などを染めてあらわすこと。また、その色や模様。
人情本仮名文章娘節用(1831‐34)前「藍御納戸の唐縮緬、裾に光りんのつるの染出し」
② 今までと趣向をかえた、新しい模様を染め出すこと。
※俳諧・西鶴大矢数(1681)第一「京にもあるまい目の前の秋〈鶴爪〉 染出しの替る所をうつ衣〈執筆〉」

そめ‐い・ず ‥いづ【染出】

〘他ダ下二〙 =そめだす(染出)
源氏(1001‐14頃)野分「御直衣、花文れうを、このごろ摘み出だしたる花して、はかなくそめいで給へる」

そめ‐いだ・す【染出】

〘他サ四〙 =そめだす(染出)
※班子女王歌合(893頃)「白露のそめいたす萩の下紅葉衣にうつす秋は来にけり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android