松前町史(読み)まつまえちようし

日本歴史地名大系 「松前町史」の解説

松前町史
まつまえちようし

八冊 松前町史編集室編 松前町 昭和四九年―平成九年刊

解説 松前は明治以前の繁栄以後衰退と単純に二分されがちな江差などと並ぶ道南地方の一典型である。町史は、従来の近世史松前藩政史中心であるのに対し、政治史偏重を避け産業・経済の動向や生活史の重視、日本史全体との関連および近世・近代の一貫性の追究などを編集方針等で表明した。昭和四三年町史編集室設置。同四七年仮年表「松前史年表」作成。外部研究者四人を委嘱して新しい編集体制をとる。松前町史研究紀要「松前藩と松前」創刊(未研究分野の基礎的研究、道内外研究者との交流、情報交換、編集過程の公開と研究成果の住民への還元等を目的とし、平成九年三九号で終刊)。「町史編集室だより」発行(昭和五七年まで六六回)。町史編集は新しい北海道近世史研究の勃興深化一翼を担い、道内外の研究や修史に影響を与えた。

構成 通説編第一巻上(序編松前の自然・地理的環境、第一編原始・古代の松前、第二編中世の松前、第三編幕藩体制の成立・展開と松前。執筆者一〇人)、通説編第一巻下(第四編幕藩体制の動揺と松前、第五編幕末維新期の松前)、通説編第二巻(第一編北海道初政下の松前、第二編明治道政下の松前、第三編大正期の松前、第四編昭和前期の松前、第五編戦後から現在までの松前)史料編第一巻(近世〈一部明治初年〉史料、藩政関係、家臣団関係等)、史料編第二巻(同上、家中日記、松前町年寄詰所日記并番日記、一揆関係史料等)、史料編第三巻(同上、商業・海運関係)、史料編第四巻(明治期・海産干場地租創定関係文書ほか、明治以降・主要統計資料)、年表(一古代から中世の松前 六五八―一五九九年、二近世以降の松前 一六〇〇―一八七二年、三明治期の松前 一八七三―一九一二年、四大正期の松前 一九一二―二六年、五昭和前期の松前 一九二七―四五年、六現代の松前 一九四六―九六年、六区分)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報