東坡煮(読み)とうばに

精選版 日本国語大辞典 「東坡煮」の意味・読み・例文・類語

とうば‐に【東坡煮】

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日本の郷土料理がわかる辞典 「東坡煮」の解説

とうばに【東坡煮】


長崎郷土料理で、豚のばら肉の大きな角切りを、しょうゆ・砂糖・みりんなどで弱火で長時間かけて甘辛く煮込んだ豚の角煮卓袱(しっぽく)料理にもよく用いる。◇中国北宋)の詩人である蘇()東坡が好んだとされる。蘇東坡食べ物の詩を数多く書き、食通としても知られた。

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デジタル大辞泉プラス 「東坡煮」の解説

東坡煮

長崎県の郷土料理。豚のバラ肉を甘辛く煮たもの。角煮。卓袱料理に用いられる。名称は中国北宋の詩人、蘇軾(そしょく)(蘇東坡(とうば)とも)が好んだとされることから。

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世界大百科事典(旧版)内の東坡煮の言及

【イノシシ(猪)】より

…山鯨というのは,魚とされていた鯨に擬した獣肉の総称であるが,そうした店の主力商品は猪だった。ネギをいれてなべ煮するのが一般的な食べ方だったが,羽倉外記(簡堂)はその著《饌書(せんしよ)》(1844)の中で,東坡煮(とうばに)にするのがもっともよいと述べている。東坡煮は東坡肉(トンポーロウ)ともいい,蘇東坡が好んだという角煮である。…

【卓袱】より

…通常は,前菜ともいうべき小菜7~8種,大菜と呼ぶあたたかい料理が5~6種,多い場合は小菜16種,大菜9種が供された。現在では茶碗蒸し,けんちんなどに往時の姿が見られ,東坡煮(とうばに)(豚肉の角煮)などが特色とされる。普茶料理【平田 万里遠】。…

【豚肉】より

…日本を代表する洋風肉料理の〈とんかつ〉(カツレツ)は,ヒレ,ロースを最もよしとするが,かたロースやもも肉を用いることも多い。東坡肉(トンポーロー)(東坡煮(とうばに),豚の角煮ともいう)はばら肉の塊をゆでてから油で揚げ,これを厚く切ってしょうゆ,砂糖,八角(はつかく),サンショウなどを合わせた汁を注ぎ,容器のまま強火で肉がとろりとなるまで蒸す。簡単につくる場合は,角切りにした肉を蒸すかゆでるかした後,しょうゆその他の調味料,香辛料を加えて長時間弱火で煮込む。…

※「東坡煮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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