木辻(読み)きつじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「木辻」の意味・わかりやすい解説

木辻
きつじ

奈良市街地南部、東木辻町付近の地。江戸初期に2、3軒の茶店ができ遊女を置いたのが始まりで、その後繁盛して北の鳴川(なるかわ)町とともに遊廓(ゆうかく)を形成した。地名路傍大樹があったことに由来するという。浄土宗称念寺は木辻遊廓内にあった寺で、遊女死亡の際、引導回向(えこう)を行った。

[菊地一郎]

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