時めく(読み)トキメク

デジタル大辞泉 「時めく」の意味・読み・例文・類語

とき‐め・く【時めく】

[動カ五(四)]
よい時勢にめぐりあって栄える。時を得てもてはやされる。「今を―・く小説家
特に目をかけられてはぶりがよくなる。寵愛ちょうあいされる。
「すぐれて―・き給ふありけり」〈桐壺
にぎやかに騒ぐ。
「輿や車を遣り違へ―・きあへるその中に」〈仮・竹斎・上〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「時めく」の意味・読み・例文・類語

とき‐め・く【時めく】

〘自カ五(四)〙 (「めく」は接尾語)
① よい時に遭(あ)って全盛をほこる。よい時機にめぐりあって世間にもてはやされる。
※宇津保(970‐999頃)菊の宴「東宮の学士になされなどして、ときめく事二つなし」
※評判記・名女情比(1681)五「ときめく方になびくなどとおもはれては、心の中のはづかしや」
主人・夫などから、特別に目をかけられる。寵愛(ちょうあい)をうけて、はぶりがよくなる。
蜻蛉(974頃)上「みささぎや、なにやときくに、ときめきたまへる人々、いかにと思ひやりきこゆるに、あはれなり」
源氏(1001‐14頃)桐壺「いつれの御時にか、女御更衣あまたさふらひ給けるなかに、いとやむことなききはにはあらぬが、すぐれて時めき給ふありけり」
③ にぎやかにうわさする。
太平記(14C後)一八「春宮に立たせ給ひなんと、世の人時明(トキメキ)あへりしに」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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