デジタル大辞泉
「明けし」の意味・読み・例文・類語
さや‐け・し【▽明けし/▽清けし】
[形ク]
1 光がさえて明るい。
「―・き月影に見ゆるようなる琵琶の音の澄みわたるを」〈木下尚江・良人の自白〉
「ぬばたまの夜渡る月の―・くはよく見てましを君が姿を」〈万・三〇〇七〉
2 音・声が澄んで響く。
「行く水の音も―・く」〈万・四〇〇三〉
3 清らかでさっぱりしている。すがすがしい。
「今造る久邇の都は山川の―・き見ればうべ知らすらし」〈万・一〇三七〉
4 はっきりしている。明瞭なさま。
「四方を望みますに、四方―・かりき」〈肥前風土記〉
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あきら‐け・し【明けし】
〘形ク〙
①
事柄がはっきりしていて疑う
余地がない。明白である。
※
万葉(8C後)一六・三八八六「何せむに 吾
(わ)を召すらめや 明久
(あきらけク) 吾が知ることを
歌人と 吾を召すらめや」
※
平家(13C前)三「
定業又治するに堪
(たへ)ざる旨あきらけし」
② けがれ、よごれ、曇り、濁りなどがなくてきれいである。清らかである。
※
書紀(720)白雉元年二月(北野本訓)「清白
(アキラケキ)意を以て、
神祇に敬奉りて」
※大鏡(12C前)一「あきらけき鏡にあへば過ぎにしも今ゆく末のことも見えけり」
③ (
物事に明るい意) かしこくすぐれている。賢明である。
※
源氏(1001‐14頃)若菜上「かく末の世のあきらけき君として、
来し方の御面をもおこし給ふほいのこと」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報