早乙女・早少女・五月少女(読み)さおとめ

精選版 日本国語大辞典 の解説

さ‐おとめ ‥をとめ【早乙女・早少女・五月少女】

〘名〙 (「さ」は接頭語)
田植えをする少女。田植え女。《季・夏》
※永承六年内裏根合(1051)「さをとめの山田の代(しろ)におり立ちていそぐ早苗や室(むろ)のはや早稲(わせ)
② おとめ。少女。
山家集(12C後)下「磯菜摘む海士のさをとめ心せよ沖吹風に波高くなる」
③ 花田植え、大田植えなどの田植え行事や、各地の神社の田植え神事で、それに奉仕するおとめ。田の神に仕える聖なる女性としての印象をとどめる。川柳では特に、大阪市住吉区の住吉神社御田植祭に奉仕した泉州(堺市)の乳守(ちもり)遊女をいう。
※雑俳・柳多留‐六五(1814)「うかれ女も早乙女となる神事也」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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