田植え(読み)たうえ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「田植え」の意味・わかりやすい解説

田植え
たうえ

水稲栽培で苗を苗代から本田に移植する作業。日本の稲作でも古くは直播による栽培が行なわれていたが,奈良時代から平安時代にかけて田植えが一般化した。田植えの時期は北海道,東北地方での 5月中旬から,九州地方の 6月中旬と稲作期間の長短によって異なる。植え付け密度早晩の品種別や気候,地方差によって異なるが,関東地方では 4~5本を 1株,1m2あたり 15~18株程度を基準とし,北へ行くほど多く,南へ行くほど少なくなる。古来,田植えは稲作で最も重要な行事とされ,神を迎えて行ない,その初めの日をサオリ,田植えを終えて神を送るのをサナブリといい儀礼を伴う(→さなぶり)。田植え時期の 5月をサツキ,田植乙女をサオトメ(早乙女)というが,いずれもサは田の神を意味する接頭語である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android