日豪閣僚委員会(読み)にちごうかくりょういいんかい(英語表記)Japan-Australian Ministerial Committee

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日豪閣僚委員会」の意味・わかりやすい解説

日豪閣僚委員会
にちごうかくりょういいんかい
Japan-Australian Ministerial Committee

1971年5月経済,政治問題についての意見交換を目的として設立された,日本とオーストラリア閣僚レベルの定期協議機関。日豪関係は 57年に通商協定を締結して以来経済的緊密化を深め,67年に事務レベルの定期協議会を設置してからは政治的にも緊密化する方向に動いていた。閣僚委員会の設立はこのような日豪関係の進展里程標として重要な意義を有する。 70年代には牛肉砂糖,鉄鉱石紛争など,矢つぎばやに発生した経済紛争を協議する重要な場となり,両国間の経済摩擦が契約概念や商業慣習の相違にも由来することが理解された。このため,オーストラリア側は豪日交流基金を創設することによって,両国間の相互理解をはかる方向性を模索するようになった。閣僚レベルや高級事務レベルにおける日豪関係の緊密化は,のちに政府開発援助 ODAをめぐる二国間協力を軌道に乗せるなど,日本外交の基盤を着実に強化する役割を果した。

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