改訂新版 世界大百科事典 「新撰(選)組」の意味・わかりやすい解説
新撰(選)組 (しんせんぐみ)
幕末の佐幕浪士隊。1863年(文久3)1月幕府は清川八郎の建議をいれ,武芸にすぐれた浪士を取り立てて浪士組を編成し,2月には将軍警衛を名として上洛させた。しかし指導者の一人清川が尊王攘夷派と結ぶ動きをしたため,同年3月に江戸へ呼び戻された。このとき,なおも京都に残った芹沢鴨,近藤勇,土方歳三らは,京都守護職松平容保の支配下に入り,ひきつづき京都郊外の壬生村に屯所をおいて新撰組と称した。京都の治安維持を任務とし,尊王攘夷派志士の弾圧で名をあげ,壬生浪人として恐れられた。隊は内訌のすえ,無謀な行いの多かった初代隊長芹沢を斬って近藤,土方らが実権をにぎる。池田屋事件,禁門の変における活動を頂点とし,68年(明治1)1月の鳥羽・伏見の戦には幕府軍に加わって敗れ,関東に帰る。ふたたび近藤の指揮下に甲陽鎮撫隊をつくり甲州などで官軍に抗戦したが敗れ,以後敗走をつづけ同年3月に解隊した。
執筆者:高木 俊輔
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