放生津八幡宮(読み)ほうじようづはちまんぐう

日本歴史地名大系 「放生津八幡宮」の解説

放生津八幡宮
ほうじようづはちまんぐう

[現在地名]新湊市八幡町二丁目

祭神は応神天皇で、大鷦鷯命を祭神とする若宮八幡が合祀されている。旧県社。社伝では大伴家持が越中国守在任中の天平一八年(七四六)宇佐八幡宮勧請し、奈呉なご八幡と称し、八月一五日に放生会が営まれたのが始まりとされる。この由緒により嘉暦三年(一三二八)に放生津の地名がつけられたという(楢葉越栞)。文化三年神社由来書上は北条時政再興と伝えると記し、奈呉八幡・放生会伝承を載せる。社伝によると、正和年間(一三一二―一七)に守護名越時有が社殿造営、神領八幡田を寄進したという。確たる史料を欠くものの、放生津八幡宮が放生池としての放生津潟、越中守護所を背景として鎌倉期に成立していたことは疑いない。守護所の成立は国衙守護所からの分離であろうから早くとも承久の乱以後であり、社殿の造営由来のように一四世紀初頭まで下がることも考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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