放射計(読み)ホウシャケイ(英語表記)radiometer

翻訳|radiometer

デジタル大辞泉 「放射計」の意味・読み・例文・類語

ほうしゃ‐けい〔ハウシヤ‐〕【放射計】

放射の強さやエネルギー照度などを測定する装置ラジオメーター輻射計

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精選版 日本国語大辞典 「放射計」の意味・読み・例文・類語

ほうしゃ‐けい ハウシャ‥【放射計】

〘名〙 放射の強さやエネルギー、照度などを測定する装置。ラジオメーター。

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改訂新版 世界大百科事典 「放射計」の意味・わかりやすい解説

放射計 (ほうしゃけい)
radiometer

放射エネルギーを測定する装置。一般にはある面に入射する放射エネルギーの,単位面積当り,単位時間当りの量,すなわち放射照度(単位はW/m2またはcal/m2・s)を測定する。日射計もその一種である。放射は通常,紫外,可視,赤外の広い波長領域の成分を含んでいるから,放射計の分光感度(各波長の単色放射に対する感度)は波長によらず一定でなければならない。このため,表面を黒化した薄い板で放射を受け,その大部分を吸収させて熱に変換させ,それにより生ずる板の温度上昇を測定するいわゆる熱形の検出器を用いることが多い。温度上昇の測定には熱による起電力の発生を利用した熱電対,または熱による板の電気抵抗の変化を利用したボロメーター原理を利用する。また,放射照度の測定でなく,例えばレーザーパルスのような短時間の発光の,初めから終りまでの全エネルギーを測定する形式のものもあり,これは一種の熱量計である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「放射計」の意味・わかりやすい解説

放射計
ほうしゃけい
radiometer

可視光や赤外線などの放射のエネルギーを測定する計器X線、γ(ガンマ)線などの放射線の測定は放射線検出器を用いる)。断熱した微小な黒体中に放射を吸収させてその温度上昇からエネルギーを測定する熱効果型と、光電効果や光電磁効果により放射を電流などに変換して測定する量子効果型とに分けられる。熱効果型は広い波長域の放射に対して均等な感度をもつことが特徴で、全放射の測定に適している。温度上昇の検出には熱起電力や電気抵抗の変化が利用され、後者の検出方式による放射計はボロメーターbolometerともよばれる。量子効果型は感度が高く応答が速いことが特徴で、微弱な放射や変化する放射の測定、また、走査用光学系とともに用いて広がりをもった対象の放射強度のパターンを測定する目的などに適している。検出器としては光電管、光電子増倍管、種々の半導体素子などが用いられる。

[三井清人]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「放射計」の意味・わかりやすい解説

放射計
ほうしゃけい
radiometer

輻射計ともいう。物体から放出される放射のエネルギーや照度などを測定する装置。レンズや反射鏡で放射を集束させてから,温度上昇による熱効果は熱電対で,光電効果は光電管フォトダイオードで測定する。この装置の精密なものは,放射温度計としても用いられる。

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