接合(建築)(読み)せつごう(英語表記)join

翻訳|join

日本大百科全書(ニッポニカ) 「接合(建築)」の意味・わかりやすい解説

接合(建築)
せつごう
join

二つの材料または部材をつなぎ合わせること。一般にボルト、釘(くぎ)などによるものを機械的接合、接着剤によるものを化学的接合、接着接合というが、材料の端部どうしをいったん溶融したのちつなぎ合わせる溶接接合もある。接合された部分を接合部という。土木構造物や建築物の骨組によく用いられる鉄骨構造(鋼構造)では、リベット接合(鋲(びょう)接合)やボルト接合を用いて、いろいろな形の鋼板や形鋼(かたこう)を組み合わせて骨組を形づくってきたが、最近では、これらの接合法にかわって、高張力鋼を主材料に用いる高力ボルト接合が、溶接接合とともに鋼材の接合法の主流となった。リベット接合法は、接合しようとする二つの鋼板を重ねて穴をあけ、その中に赤熱したリベットを挿入し、リベッターにより締め付けるものであり、ボルト接合はリベット接合と同様に鋼板にあけた穴に機械用ボルトを通し、スパナレンチで締め付ける。高力ボルト接合は、ボルト材料の強度が高いことに着目して、ボルトの締め付けを強く行うことによる鋼材接触面間の摩擦力に期待するもので、大きな耐力をもつ接合部をつくれる。

 骨組部材どうしの接合部を節点とよぶことがあり、一つの節点に三つ以上の部材が集まることも少なくない。骨組に外力が作用しても、節点に集まる部材どうしの接合がしっかりしていて部材間のなす角度変化を生じないものを剛接合といい、反対に、たとえば丁番(ちょうつがい)のような回転機構を備えて、節点に集まる部材間の角度を自由に変化させることができるものをピン接合(鉸(こう)接合、ヒンジ接合)という。トラス構造物の各節点はピン接合として設計される場合も多い。

[金多 潔]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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