探湯・誓湯(読み)くかたち

精選版 日本国語大辞典 「探湯・誓湯」の意味・読み・例文・類語

くか‐たち【探湯・誓湯】

〘名〙 (「くがたち」とも)
大化前代、事の是非、正邪を判定するために、神に誓って熱湯に手を入れて探らせたこと。罪のある者は大やけどをするが、正しい者はやけどをしないと信じられていた。うけいゆ。
書紀(720)允恭四年九月「盟神探湯、此をば区訶陀智(クカタチ)と云ふ」
後世神前で身を清めて拝するために沸かす湯。
随筆胆大小心録(1808)三一「ここに改めん事を神に問ふて、探湯を奉り、神楽を奏すれども」
[補注]「書紀‐応神九年四月」に武内宿禰甘美内宿禰とが磯城川のほとりで探湯をして無実を争った記事があるが、訓は不明である。「古事記」では「くかべ」は現われるが、「くかたち」の語は現われない。→探湯瓫(くかべ)

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