精選版 日本国語大辞典 「捌」の意味・読み・例文・類語
さば・ける【捌】
〘自カ下一〙 さば・く 〘自カ下二〙
① 乱れたものがなおる。もつれたものが解け分かれる。
② 割れる。砕ける。裂ける。
※幸若・高館(寛永版)(室町末‐近世初)「ふたつにざっときりわって、ゆんで、めてへさばけたり」
※交隣須知(18C中か)三「分執 ワケテ トッテ ウレハ ハヤウ サバケマス」
さばけ【捌】
① 乱れたものがなおること。
② 売れること。売れゆき。
※和英語林集成(初版)(1867)「イトノ sabake(サバケ)ガ ヨイ」
③ ものわかりのよいこと。
さばくり【捌】
〘名〙 (動詞「さばくる(捌)」の連用形の名詞化)
① とりあつかうこと。とりはからうこと。処理すること。はからい。捌き。
※文机談(1283頃)三「管絃の御さたは御てをくだしても御さばくりなかりけり」
② もてあそぶこと。いじくりもてあそぶこと。
※謡曲・班女(1435頃)「花子と申し候ふ人は、〈略〉扇に好き朝夕扇さばくりをのみする人にて候ふほどに」
は・ける【捌】
〘自カ下一〙 は・く 〘自カ下二〙
① 水などがとどこおらずに流れ出る。
② 商品がどんどん売れて、残り少なくなる。さばける。
はけ【捌】
〘名〙 (動詞「はける(捌)」の連用形の名詞化)
① 水などがとどこおりなく流れること。水がはけること。
② 商品が売れること。さばけること。
※落語・今戸の狐(1892)〈三代目三遊亭円遊〉「一番売口の宜いのは狐ださうで、是は稲荷様(おいなりさま)の方でもはけが宜し」
は・く【捌】
[1] 〘他カ四〙 残らず売る。うりさばく。
※歌舞伎・勝相撲浮名花触(1810)発端「おれに寄越しやれ。値を好く捌(ハ)いて遣るワ」
[2] 〘自カ下二〙 ⇒はける(捌)
はか・す【捌】
〘他サ五(四)〙
① とどこおらないように流す。水などがよく流れるようにする。
② 売り尽くす。商品などを、残らないように売ってしまう。
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