招提寺内(読み)しようだいじない

日本歴史地名大系 「招提寺内」の解説

招提寺内
しようだいじない

戦国時代、浄土真宗の道場(のちの敬応寺)を中心として建設された寺内村で、近世の招提村の前身。成立の模様を記した史料として、招提の片岡家所蔵の「招提寺内興起後聞記并年寄分由緒実録」がある。この実録によると寺内の開基は、近江国の武士片岡正久と河端綱久で、将軍足利義晴に願出て河内国まき郷内の無主荒地を下付され、蓮如の六男蓮淳(兼誉)を大津近松寺から招いて、天文一二年(一五四三)道場を建立したのが始まりであった。招提という地名は、同年、方八町の境内縄張りを行って堂を営んだとき、招提寺内の銘を有する石を掘出したことに由来するという。翌一三年一一月、管領細川晴元は「交野郡招提道場」に対して、軍勢の濫妨その他を停止する禁制を下している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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