打散(読み)うちちらす

精選版 日本国語大辞典 「打散」の意味・読み・例文・類語

うち‐ちら・す【打散】

〘他サ五(四)〙
① (「うち」は接頭語) むやみに散らかす。あちこちに乱雑に置く。
落窪(10C後)一「思ひしづめて、うちちらし給へる物どもとりしたたむ」
② 棒などで敵を打って、追い散らす。
読本春雨物語(1808)樊噲「誰かれなく打ちらすほどに」
③ (「討散」とも) 敵を討って追い散らす。攻撃して退かす。
平家(13C前)七「おち人とてあそこここにてうちちらされ」
④ (ばくちなどを)むやみに打つ。
仮名草子竹斎(1621‐23)上「双六ばくちを打ちらし、ここを先途勝負をする」

うち‐ち・る【打散】

〘自ラ四〙 (「うち」は接頭語)
花びらや雪などがさっと乱れ飛ぶ。
蜻蛉(974頃)下「山吹の中にあるを、うちちりたる中に、さしわきてとらへさせて」
② あちこちに散らばる。
※夜の寝覚(1045‐68頃)二「都には消えにし雪、ところどころむら消えのこりて、今もうちちりつつ」

ぶっ‐ちらか・す【打散】

〘他サ四〙 (「ぶっ」は接頭語) 乱雑にちらかす。
落語・化物娘(1893)〈禽語楼小さん〉「家中仕事を打散(ブッチラ)かしても拘(かま)はんから、〈略〉家(うち)へ来い」

ぶっ‐ちらか・る【打散】

〘自ラ四〙 (「ぶっ」は接頭語) 乱雑にちらかる。勢いよくちらばる。

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