手浦(読み)たのうら

日本歴史地名大系 「手浦」の解説

手浦
たのうら

[現在地名]敦賀市手ノ浦

西にし浦一〇ヵ浦の一。沓浦くつのうらの北に位置し、東は敦賀湾に臨む。西の西方さいほうヶ岳は標高七六四・一メートルで手浦に属し、北方色浜いろがはまに属する栄螺さざえヶ岳(六八五・五メートル)とともに敦賀半島脊梁をなし、若狭国三方郡との郡境となる。半島の最高峰で、常宮じようぐうから登る。

建暦二年(一二一二)九月日付の越前気比宮政所作田所当米等注進状(越前気比宮社伝旧記)に三ケ浦の一として手浦がみえ、室町時代には田浦とも表記した(秦家文書)。当浦の秦家には現敦賀市内最古古文書、正安三年(一三〇一)六月三日付の太神宮政所よりの御神領手浦刀禰職補任状がある。同文書の同日付気比太神宮政所下文には手浦刀禰職の沙汰いたすべき公事として、

<資料は省略されています>

をあげ、そのほかの雑公事を免除している。中世の手浦は南隣の沓・縄間のうま両浦とともに西浦における気比社領で、右文書から刀禰を通じての浦方支配、塩・海産物・布・木などの税(公事)負担の一端がうかがえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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