成島庄(読み)なるしまのしよう

日本歴史地名大系 「成島庄」の解説

成島庄
なるしまのしよう

まつ(最上川上流)羽黒はぐろ川以西の米沢盆地南西部の平地・山間部に位置したと推定される。「殿暦」天永三年(一一一二)九月二日条に「自一条殿馬二疋下給、成島庄年貢云々」とみえるのが初見。一条殿は「殿暦」筆者忠実の母全子(関白師通の妻)であるので、当庄は摂関家領と推定しうる。

鎌倉時代当庄を含む置賜おきたま郡・村山郡一帯の地頭となったのは鎌倉幕府政所別当大江広元であるとされ、その後を長男親広(寒河江氏祖)が村山郡の寒河江さがえ庄を、次男時広(長井氏祖)置賜地方を相伝した。そののち時広―泰秀―時秀―宗秀と相伝されたという。長井氏の称は所領武蔵国長井庄(現埼玉県大里郡妻沼町)によるとの説、また当庄・屋代やしろ庄と北条ほうじよう庄を含む置賜地方一帯を長井庄と俗称したことによるとの両説がある。当庄内に鎮座する成島八幡宮棟札によれば、正安二年(一三〇〇)に長井宗秀が宝殿などを修理している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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