悦般(読み)エッパン(英語表記)Yue-ban; Yüeh-pan

デジタル大辞泉 「悦般」の意味・読み・例文・類語

えっぱん【悦般】

5世紀ころ、中央アジアイリ地方に住んでいたトルコ系の遊牧民族。また、その国。中国南北朝の史書に現れる。

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精選版 日本国語大辞典 「悦般」の意味・読み・例文・類語

えっぱん【悦般】

五世紀の頃、中央アジアに形成されたトルコ系遊牧民の国。天山山脈以北の一帯を支配した。中国の史書にみえる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「悦般」の意味・わかりやすい解説

悦般
えっぱん
Yue-ban; Yüeh-pan

5世紀に中央アジアにいた遊牧民族,およびその国家。住地は新疆,天山山脈北側にあり,東西貿易路の要衝にあたっていた。人口は 20万余。風俗,言語高車と同じであったというから,高車同様チュルク系であろう。きれい好きで,髪を垂らして眉のところで切り,クリームを塗って光らせ,毎日3度の食前には手を洗い口をすすいだ。もと柔然の同盟国であったが,のちに敵対関係に入り,448年北魏の軍が西域に遠征すると,悦般は北魏と連合して柔然を攻撃しようと申し出た。名称の類似から,同じく5世紀にドン川下流域に出現し,6世紀に中央ヨーロッパに帝国を建設したアバール人と同一視する説もある。

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