精選版 日本国語大辞典 「息衝」の意味・読み・例文・類語
いき‐づ・く【息衝】
〘自カ五(四)〙
① 息をする。呼吸する。
② 息をふきかえす。生きかえる。
※色葉字類抄(1177‐81)「活 イキツク イキカエル」
③ ためいきをつく。嘆息する。
④ 苦しそうに呼吸する。あえぐ。
※竹取(9C末‐10C初)「大納言〈略〉、いきつきふし給へり」
⑤ 一息つく。ほっとする。
※宇治拾遺(1221頃)九「仏師、逃げのきて、いきつきたちて、思ふやう」
⑥ 生きつづける。存在し続ける。
いき‐づかし【息衝】
〘形シク〙 (動詞「いきづく(息衝)」の形容詞化)
※万葉(8C後)八・一四五四「波の上ゆ見ゆる小島の雲がくりあな気衝之(いきづかシ)相別れなば」
② 息苦しい。謡などで息がつづかない。
いき‐づき【息衝】
〘名〙
① 呼吸。
② 太く息をつくこと。はげしく息をつくこと。
※観智院本名義抄(1241)「喘 イキツキ」
いく‐づ・く【息衝】
〘自カ四〙 ためいきをつく。いきづく。
※万葉(8C後)一四・三四五八「なせの子やとりの岡道(をかぢ)し中だをれ吾(あ)をねし泣くよ伊久豆君(イクヅク)までに」
いきづくし【息衝】
〘形シク〙 「いきづかし」の上代東国方言。
※万葉(8C後)二〇・四四二一「我が行きの伊伎都久之可(イキヅクシカ)ば足柄の峰這(は)ほ雲を見とと偲はね」
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