心許（読み）こころばかり

精選版 日本国語大辞典

こころ‐ばかり【心許】

[1] 〘連語〙

① ほかのものはともかく、心だけ。心の中だけ。

※古今（905‐914）離別・三六八「たらちねのおやのまもりとあひそふる心ばかりはせきなとどめそ〈小野千古母〉」

② 心の及ぶかぎり。思う存分。

※御伽草子・三人法師（室町末）「乃至五百騎三百騎の中へわって入り、心ばかりの働き、棄つる命露塵程も惜しからず候ひつれ共、知らねば力及ばず」

[2] 〘名〙 心の一端を表わしただけであるの意で、へりくだっていう語。気持ばかり。微意。寸志。

※浄瑠璃・吉野忠信（1697頃）五「御あととをく見をくりて、心ばかりのいとまごひあはれにも又、たのもしし」

※竹沢先生と云ふ人（1924‐25）〈長与善郎〉竹沢先生と虚空「三七日の法事が内だけで心ばかりにいとなまれる頃には」

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【心許】しんきよ

心のうちで許す。

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出典　平凡社「普及版 字通」