心尽(読み)こころづくし

精選版 日本国語大辞典 「心尽」の意味・読み・例文・類語

こころ‐づくし【心尽】

〘名〙
物思い限りを尽くすこと。いろいろと気をもむこと。心労
古今(905‐914)秋上・一八四「木のまよりもりくる月の影見れば心づくしの秋は来にけり〈よみ人しらず〉」
増鏡(1368‐76頃)一六「いづくの島守となれらんもあぢきなく、誰も千年の松ならぬ世に、中々心づくしこそまさらめ」
相手のために心をこめてすること。また、そうする気持
※不安(1900)〈幸田露伴〉下「愉快の上にも愉快に飲み且語らうと思ふ心づくしから開いて呉れた第二次会の席上」

こころ‐ずく ‥づく【心尽】

〘名〙 (「ずく」は接尾語) 心ですべてを解決しようとすること。実意だけで物事をしようとすること。事を行なうのに、心を第一にすること。
浮世草子・好色産毛(1695頃)三「世は銀づく、それがきたなしとて、心づくにて恋わたれば、得ておろし薬を買ねばならぬ事になりゆく事ぞ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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