御部屋様(読み)オヘヤサマ

デジタル大辞泉 「御部屋様」の意味・読み・例文・類語

おへや‐さま【御部屋様】

御部屋3」の敬称
御部屋4」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「御部屋様」の意味・読み・例文・類語

おへや‐さま【御部屋様】

〘名〙 (「さま」は接尾語)
① 「おへや(御部屋)④」の敬称。
酒中日記(1902)〈国木田独歩〉「母の顔は決して下品な出来ではない。〈略〉其剣のある眼つきが却って威を示し、何処高貴の御部屋様かと受取られるところもある」
② 「おへや(御部屋)⑤」の敬称。
洒落本・卯地臭意(1783)「お部屋様の人づかひのわるひと来たもんだから」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「御部屋様」の意味・わかりやすい解説

御部屋様
おへやさま

貴人の妾(めかけ)に対する敬称。とくに江戸城大奥では、将軍側室であるお手付中﨟(ちゅうろう)も、子を産まぬ以上は世話親の部屋に2、3人ずつ同宿した。出産して初めて独立の部屋を与えられ、男児なら「御部屋様」、女児を産めば「御腹様」とよばれた。徳川の歴史のうち、将軍の子は、秀忠(ひでただ)の正妻が産んだ家光(いえみつ)のほかは、みな侍妾(じしょう)が産んでいる。御部屋様になると御台所(みだいどころ)に次ぐ扱いとなり、親にも扶持(ふち)が出て、武士に取り立てられた。

稲垣史生

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世界大百科事典(旧版)内の御部屋様の言及

【家】より

…侍妾も奉公人の身分であって,その生子があれば,その子の待遇に応じてその生母の待遇も異なった。侍妾の出が公家などであれば初めから御部屋様といわれるが,通常は男子などを生んだ場合に限ってそう呼ばれる。幕府には男子のときには出生届に相当する丈夫届を提出するが,ときには10歳以上になってからのときもある。…

※「御部屋様」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」