御下(読み)オシモ

デジタル大辞泉 「御下」の意味・読み・例文・類語

お‐しも【御下】

しも」の美化語大小便。また、便所。「病人お下世話をする」
宮中貴人の家に仕えた女性もと内侍に次ぐ女官敬称

お‐した【御下】

天皇が食べた食事の残り。おさがり。おろし。
昔、宮中に仕えた女房うち格式の最も下の者。下﨟げろう
下男下女のこと。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「御下」の意味・読み・例文・類語

お‐した【御下】

〘名〙 (「お」は接頭語)
① 貴人が食べた食事の残り。
※ロドリゲス日本大文典(1604‐08)「Voxitauo(ヲシタヲ) クダサレイ」
随筆・遠碧軒記(1675)下「天子法皇の御膳の残りを、今御下(ヲシタ)と云、本はさにてはなし。朝政のとき、朝餉の御膳のとき、それを被下を云ふ」
② 古く、宮中に仕えた女房のうち、格式の最も下の者。下臈(げろう)
※光台一覧(1775か)二「凡の格式と思ふときは、典侍は上臈、内侍は中臈、御下は下臈なり」
③ 支配下にあること。支配する土地に住むこと。
咄本・軽口御前男(1703)三「万年亀太郎様と申御代官あり。お下(シタ)の百姓山くじを取むすび」
親元の家をいう奥女中の用語。
※洒落本・祇園祭挑燈蔵(1802)初幕「私共の旦那さんにお宿といふはござりません。おしたでござります」
⑤ 下男、下女のこと。

お‐しも【御下】

〘名〙 (「お」は接頭語)
① 宮中、貴族の家に仕える下級の女性。おすえ。もと、内侍の次位の女官の敬称。命婦、女蔵人、御差(おさし)などもいう。
※御湯殿上日記‐永祿七年(1564)三月一日「御しもたちさしあひて、あさかれいまいり候はす」
② 大小便や便所、また、下半身をいう丁寧語。
※一兵卒の銃殺(1917)〈田山花袋〉一〇「『お下(シモ)ですか』などと上さんは声をかけた」
③ 畳の上など、すわるべき所をいう。
※歌舞伎・傾情吾嬬鑑(1788)序幕「マアマア、お下(シモ)においでなされませ」

お‐さげ【御下】

〘名〙 (「お」は接頭語)
① 少女の髪の結い方。頭髪全部を束ねてうしろへ下げたもの。また、頭髪をうしろで左右に分け、編んで肩のあたりにたらしたもの。おさげがみ。
※不如帰(1898‐99)〈徳富蘆花〉上「山木の女(むすめ)と並むで、垂髪(オサゲ)に結(い)って」
② 女の帯の結び方。両端をたれ下げたもの。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報