御・美・深(読み)み

精選版 日本国語大辞典 「御・美・深」の意味・読み・例文・類語

み【御・美・深】

〘接頭〙
名詞の上に付いて、それが神仏、天皇、貴人など尊敬すべき人に属するものであることを示し、敬意を添える。「みけ(御食)」「みあかし(御明)」「みかき(御垣)」「みこ(御子)」「みいくさ(御軍)」「みぐし(御髪)」「みもと(御許)」「みまし(御座)」など。
※古事記(712)上・歌謡「ぬばたまの黒き美(ミ)けしを」
※枕(10C終)九四「上の御つぼねのみ簾の前にて」
② (「美」「深」とも) 名詞、または地名に付けて、美称として用いる。「み空」「み山」「み雪」「み籠」「み吉野」など。
[語誌](1)本来は霊威あるものに対する畏敬を表わした。霊物に属するものだけでなく、霊物そのものにも冠する。「みかみ(御神)」「みほとけ(御仏)」など。「みき(神酒)」「みち(道)」「みや(宮)」などの「み」も本来はこれである。
(2)上代の尊敬の接頭辞としては「み」のほかに「おほみ」がある。「み」にさらに美称の「おほ」を加えて敬意の高さを強調したと考えられる。→おおみ(大御)
(3)中古では、「おほむ」が多くの語につくのに対し、「み」がつくのは、宮廷殿舎調度、仏教、神祇関係の語である。→おおん(御)

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