徐(漢字)

普及版 字通 「徐(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

[字音] ジョ
[字訓] やすらか・おもむろ・ゆるやか

[説文解字]

[字形] 形声
声符は余(よ)。余に除・敍(叙)(じょ)の声がある。〔説文〕二下に「安行なり」という。〔易、困、九四〕「來(きた)ること徐徐たり」の意。余は膿血などを除く治療用の針。これを祝の器((さい))に加えてその呪能を無力にすることを舍()、聖地に刺して埋蠱(まいこ)のような呪法を無力にし除(はら)い清めることを除、道路に加えて修祓するを(途)、これによって安らかとなるを徐という。それで安行・安舒の意となる。

[訓義]
1. やすらかにゆく、やすらか。
2. おもむろ、しとやか、おだやか。
3. ゆるやか、ゆるめる、しずか。

[古辞書の訓]
名義抄〕徐 ヤウヤク・オソシ・シバラク・オモフル・シヅカ 〔字鏡集〕徐 ヲソシ・ホソシ・シバラク・ヤヤ・オモフル・シヅカ・ヤウヤク・ヨリヨリ

[語系]
徐zia、余jiaは声近く、余は針器。これを呪器として除道し、安行をうることを徐という。敍zia、除dia、舒sjiaなどみな声近く、祓除によってゆるやかにする意があり、みな一系の語である。

[熟語]
徐婉徐看徐緩徐言徐行徐疾・徐徐徐詳徐進徐趨徐歩・徐
[下接語]
安徐緩徐虚徐疾徐・執徐・舒徐・微徐

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報