張切(読み)はりきる

精選版 日本国語大辞典 「張切」の意味・読み・例文・類語

はり‐き・る【張切】

[1] 〘自ラ五(四)〙
① ぴんと張る。十分に張る。
※永日小品(1909)〈夏目漱石〉元日「指の先で張切(ハリキ)った皮の上をかんと弾いた」
② 元気がみなぎりあふれる。大いに意気ごむ。
歌舞伎霊験曾我籬(1809)六幕「今日行きたいと張り切ってゐらるる上に」
③ 緊張する。
※范の犯罪(1913)〈志賀直哉〉「張りきった気がゆるんで来るに従って」
[2] 〘自ラ下二〙 ⇒はりきれる(張切)
[3] 〘他ラ五(四)〙 強く張って切り裂く。引っぱって切る。
和泉式部集(11C中)上「うへのきぬをはりきりて、いと惜しき事いひて」

はり‐き・れる【張切】

〘自ラ下一〙 はりき・る 〘自ラ下二〙
① 過度に張りふくれて切れる。ふくらみすぎて裂ける。
社会百面相(1902)〈内田魯庵増税破裂(ハリキ)れるやうな顔に皮肉な微笑を泛べつ」
② 引っぱりすぎて切れる。こわばって切れる。
※今弁慶(1891)〈江見水蔭〉二「十条の太綱、ぷっつりと、中途よりして張切れたり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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