弥美神社(読み)みみじんじや

日本歴史地名大系 「弥美神社」の解説

弥美神社
みみじんじや

[現在地名]美浜町宮代

御岳おたけ山の西山裾に鎮座する。「延喜式」神名帳にみえる三方みかた郡「弥美イミノ神社」に比定される。享保一〇年(一七二五)書写の「若狭国神名帳」に正五位耳明神とある。二十八所大明神、耳の明神ともよばれた(三方郡誌)室毘古むろびこ王を祭神とし、建御雷たけみかずち神・天児屋根あめのこやね命・布都主ふつぬし神など一一神を合祀する。旧県社。「古事記」開化天皇の段に「室毘古王は、若狭の耳別の祖」とあり、弥美神社は耳の別の氏人が耳の地を領し、その祖を祀ったのではないかとする(三方郡誌)。「若狭国志」には、大宝二年(七〇二)はじめて伊勢内外宮を祀り、その後二十六所神を祀ったので、今は二十八所と称し、耳荘の数村が祭祀を共にしているとあり、創始を大宝二年とする。しかし「若狭国神社私考」は社記もいう大宝二年創祀説に対し、二十八所神のうち春日・平野・稲荷・大原野・梅宮・吉田・祇園天満天神などは、大宝二年よりのちに祭祀された神であり、二十八所の諸神が大宝二年に耳川へ天降ったというのは妄説であるとしている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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