弓削(読み)ユゲ

デジタル大辞泉 「弓削」の意味・読み・例文・類語

ゆ‐げ【削】

古代、弓をけずり作ること。また、それを職とした人。→弓削部ゆげべ

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精選版 日本国語大辞典 「弓削」の意味・読み・例文・類語

ゆ‐げ【弓削】

[1] 〘名〙
令制前、弓の製作に従事した部民。
書紀(720)綏靖即位前(熱田本訓)「乃ち弓部(ユケの)稚彦をして弓を造らしめ」
② 令制で、兵部省の造兵司に属した雑戸(ざっこ)。三二戸が指定され、上番して弓の製作に従事する。調役が免除された。〔令集解(701)〕
[2]
[一] 河内国若江郡の地名。現在の大阪府八尾市弓削・志紀にあたる。〔二十巻本和名抄(934頃)〕
[二] 愛媛県越智郡上島町に属する島。瀬戸内海国立公園の一部。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「弓削」の意味・わかりやすい解説

弓削
ゆげ

愛媛県北東部、越智郡(おちぐん)にあった旧町名(弓削町(ちょう))。旧町域は、芸予(げいよ)諸島の一部上島諸島の弓削島、佐(さ)島、豊(とよ)島などからなる。現在は上島町(かみじまちょう)の北部にあたる。1953年(昭和28)町制施行。2004年(平成16)魚島(うおしま)村、生名(いきな)村、岩城(いわぎ)村と合併、上島町となる。弓削島と佐島は弓削大橋で結ばれていて、橋の近くには弓削大橋記念公園がつくられている。広島県尾道市因島(いんのしま)土生(はぶ)港、今治(いまばり)港との間に航路がある。名称は、中世の弓削島荘(ゆげしまのしょう)に由来する。中世には揚浜(あげはま)塩田で知られ、江戸時代は今治藩領で宿駅として海上交通の拠点であった。ノリの養殖が盛ん。農業は柑橘(かんきつ)類の栽培中心。船員が多く、かつては対岸の因島の造船業に従事する者も多かった。1901年(明治34)創立の弓削商船高等専門学校がある。定光(じょうこう)寺観音(かんのん)堂は国指定重要文化財。瀬戸内海国立公園域。

[横山昭市]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「弓削」の意味・わかりやすい解説

弓削
ゆげ

愛媛県北東部,芸予諸島の弓削島を中心とする地区。旧町名。 1953年町制。 2004年 10月,魚島村,生名村,岩城村と合併し,上島町となる。弓削島,佐島,豊島,百貫島の4島からなり,養殖漁業が行なわれる。 1955年頃から柑橘類栽培が発達。弓削瀬戸をはさんで対する広島県の因島造船所に通勤する住民が多い。法皇ヶ原,松原の海水浴場は白砂の海岸。一部は瀬戸内海国立公園に属する。道鏡の伝説地で弓削神社がある。中心市街地下弓削には国立弓削商船高等専門学校がある。弓削島と佐島は弓削大橋で結ばれる。

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