庇を貸して母屋を取られる(読み)ヒサシヲカシテオモヤヲトラレル

デジタル大辞泉 の解説

ひさしして母屋おもやられる

一部を貸したために、やがて全部を奪われるようになる。
保護してやった相手に、恩をあだで返される。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 の解説

ひさし【庇】 を 貸(か)して母屋(おもや)を取(と)られる

一部を貸したために結局その全部が奪い取られる。保護してやったのに、恩を仇(あだ)で返される。軒を貸して母屋を取られる。
仮名草子・為愚癡物語(1662)二「ひさしかしておもやとらるることは、仏の道にも有と見えたり」

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ことわざを知る辞典 の解説

庇を貸して母屋を取られる

軒先を貸したところ、いつのまにか母屋を乗っ取られてしまう。好意に乗じられ、恩を仇でかえす仕打ちを受けることのたとえ。

[使用例] 「会社」で用心棒を雇ったんだぐらいに考えていたんだろう。しかし、暴力団というのはそんなに甘いもんじゃない。すぐに、ひさしを貸して母屋をとられることになった[宮部みゆき*夢にも思わない|1997]

[解説] 古くは「片屋を貸して母屋を取られる」ともいいました。「ひさし」を庇の間とする説もありますが、ふつうに軒先と解するほうが比喩として効果的です。

英語〕Give him an inch and he'll take a yard.(一インチ与えれば一ヤード取られる)

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