市山流(読み)いちやまりゅう

精選版 日本国語大辞典 「市山流」の意味・読み・例文・類語

いちやま‐りゅう ‥リウ【市山流】

〘名〙 日本舞踊一派文化文政一八〇四‐三〇)頃の江戸市村座の振付師市山七宝斎七十郎を祖とする。東京新潟の二派がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「市山流」の意味・わかりやすい解説

市山流
いちやまりゅう

日本舞踊の一流派。立役の俳優から振付師になった1世瀬川如皐 (じょこう) が市山七十郎 (しちじゅうろう) を名のって大坂で樹立した流派。現在新潟と東京にある。 (1) 新潟の市山流は,2世七十郎の門弟岩井仲助が3世を名のり,その流れをくむ。代々女の家元で,市山七十郎 (なそろう) を名のる。 1968年5世七十郎没後,娘の3世市山七十世が6世宗家を継承,5世の孫が4世七十世を名のり家元となった。 (2) 東京の市山流は3世七十郎の門弟七十吉が別派を興したのに始る。ほかに新潟市山流の分家格である5世市山小直の小直派,6世市山松扇の松派,市山松栄の正派がある。

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デジタル大辞泉プラス 「市山流」の解説

市山流

日本舞踊の流派のひとつ。江戸時代中期の振付師、市山七十郎(しちじゅうろう)が大阪で創流。後に新潟、東京などに分派した。

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世界大百科事典(旧版)内の市山流の言及

【日本舞踊】より

…しかし流派はまた新しい流派や分派を生み,宗家,分家家元などの名称も生じており,現在流派の数は150を超え,今後ますます分派していく傾向にある。 振付師から出た流派では,志賀山万作を流祖とする志賀山流,江戸の振付師藤間勘兵衛から出た藤間流,西川仙蔵を祖とする西川流,幕末期から明治にかけて活躍した初世花柳寿輔が開いた花柳流,若柳吉松の若柳流や,市山七十郎の市山流等がある。また俳優の家から出たものに3世中村歌右衛門を初世とする中村流があり,同じ中村流を名のるものに,初世中村富十郎を祖とするもの,中村弥八(1703‐77)を祖とする虎治派,3世坂東三津五郎より出た坂東流があり,そのほか水木流,岩井流,市川流,尾上流等がある。…

※「市山流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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