岩倉(読み)イワクラ

デジタル大辞泉 「岩倉」の意味・読み・例文・類語

いわくら【岩倉】[京都市の地名]

京都市左京区の地名。岩倉山大雲寺や、幕末岩倉具視隠棲いんせいした旧宅がある。[歌枕
花薄はなすすきたれをとまれと―の小野蜻蛉あきつに人まねくらん」〈新後拾遺・秋上〉

いわくら【岩倉】[姓氏]

姓氏の一。
[補説]「岩倉」姓の人物
岩倉具視いわくらともみ

いわくら【岩倉】[愛知県の市]

愛知県西部の市。名古屋市北方にあり、住宅地として発展。こいのぼり・名古屋コーチン産地。人口4.7万(2010)。

いわ‐くら〔いは‐〕【岩倉】

石造りの倉。いしぐら。

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精選版 日本国語大辞典 「岩倉」の意味・読み・例文・類語

いわくら いはくら【岩倉】

姓氏の一つ

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改訂新版 世界大百科事典 「岩倉」の意味・わかりやすい解説

岩倉[市] (いわくら)

愛知県北西部の市。1971年市制。人口4万7340(2010)。古くから開発された地域で,縄文時代ののんべ遺跡,弥生時代の住居跡が発見された大地遺跡(県史跡)などがあり,条里制遺構もみられる。地名は新溝(にいみぞ)神社の巨石に象徴されるように磐座(いわくら)から発したといわれる。中世岩倉城がおかれ,尾張の上四郡をおさめて〈上の織田〉と呼ばれた織田氏がいたが,1559年(永禄2)織田信長に滅ぼされた。近世には六斎市がたつ市場町として栄えた。第2次世界大戦以前は農業が主産業であったが,戦後は繊維工業に加え,食料品,木材工業なども進出し,工業化が進んだ。名鉄犬山線が通じ,名古屋市内まで十数分の距離にあるところから,近年名古屋のベッドタウンとして大規模な住宅団地も建設され,急速に人口が増加している。伝統的な地場産業としてこいのぼり作りが全国的に有名。愛知県で最も面積の小さい市(10.49km2)でもある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「岩倉」の意味・わかりやすい解説

岩倉
いわくら

京都市左京区中南部の一地区。古くは岩蔵とも書き、平安京鎮護のため『一切経(いっさいきょう)』を納めた岩蔵が設けられたという。叡山(えいざん)電鉄鞍馬(くらま)線が通ずる。天台宗門跡(もんぜき)寺院の実相院(じっそういん)をはじめ、大雲寺(岩倉観音(かんのん))、明治維新当時、岩倉具視(ともみ)が一時隠栖(いんせい)した旧宅(国指定史跡)などがある。

[織田武雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「岩倉」の意味・わかりやすい解説

岩倉
いわくら

京都市左京区の一地区。旧村名。 1949年京都市に編入。市街地の北東方に位置し,独立した小盆地をなす。古くは岩蔵,石蔵とも書いた。地名は平安京建設の際,王城鎮護を祈って四方に経本を納める石蔵を造らせたうちの一つ,北石蔵に由来。近郊農業地域であったが,近年は宅地化が進んでいる。古刹実相院,円通寺や史跡の栗栖野瓦窯跡,岩倉具視幽棲旧宅がある。

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