尻臀(読み)シリコブタ

デジタル大辞泉 「尻臀」の意味・読み・例文・類語

しり‐こぶた【尻×臀】

尻の左右に分かれた肉付きの豊かな部分。しりこぶら。しりたぶら
肩先―、弓手ゆんでの太もも馬手めて足首」〈浄・会稽山

しり‐たぶ【尻×臀】

しりこぶた」に同じ。

しり‐たぶら【尻×臀】

しりこぶた」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「尻臀」の意味・読み・例文・類語

しり‐べた【尻臀】

〘名〙 (「しりぺた」とも) 尻の、肉の多い部分。臀部(でんぶ)。「尻」の俗っぽいいい方。しりっぺた。
※俳諧・当流籠抜(1678)「清涼殿(せいりゃうでん)板の間も有る〈鉄幽〉 尻べたを温暖(うんだん)すへく行はる〈木兵〉」
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一「物指で尻ぺたをひどく叩かれた」

しり‐こぶた【尻臀】

〘名〙 尻の、肉の多い左右のふくらみ。しりこぶら。しりたぶら。しりたぶ。しりたむら。しりぶさ。しりむた。しりゅうた。
※俳諧・伊勢山田俳諧集(1650)長抜書「鬼もねふとのてくるくるしみ ねつきする地獄かまのしりこふた」
※文明田舎問答(1878)〈松田敏足〉徴兵「病犬(やまいぬ)が出て、老人子供の、脛や尻臀(シリコブタ)に噛つく」

しり‐たぶら【尻臀】

書紀(720)欽明二三年七月(寛文版訓)「逼(せ)めて褌(はかま)を脱(ぬ)かしめて、追て尻臀(シリタブラ)を以て日本に向はしめて」

しっ‐ぺた【尻臀】

〘名〙
① 「しりべた(尻臀)」の変化した語。
※雑俳・柳多留‐一〇(1775)「門すすみしっへたたたきたたき居る」
② 柿など果実のへた。

しり‐たぶ【尻臀】

〘名〙 (「しりたぶら(尻臀)」の略) =しりこぶた(尻臀)浜荻仙台)(1813頃)〕

しりっ‐ぺた【尻臀】

〘名〙 「しりべた(尻臀)」の変化した語。
※雑俳・柳多留‐二四(1791)「はづかしさ尻っへた中うあざだらけ」

しり‐たむら【尻臀】

〘名〙 =しりこぶた(尻臀)新撰字鏡(898‐901頃)〕

しり‐むた【尻臀】

〘名〙 =しりこぶた(尻臀)〔二十巻本和名抄(934頃)〕

しり‐こぶら【尻臀】

〘名〙 =しりこぶた(尻臀)〔饅頭屋本節用集(室町末)〕

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