デジタル大辞泉
「板の間」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
いたのま【板の間】
床が板張りの部屋。日本の住宅は古い時代は,すべての部屋が板の間で,人が座ったり寝たりする個所にのみ,円座や畳を敷いた。平安時代の寝殿造はそのような形式であり,中世以降に畳を敷きつめにする部屋が増えていった。農家では,最近まで,台所や廊下のほか,居間や寝室も板の間で,その一部分にのみ,むしろ,円座,畳を敷いた。しかしこの板の間も,古い時代には,板を作るためののこぎり(大鋸(おが))が発達しなかったために高価なもので,代りに,竹を編んだ簀の子(すのこ)の床や,土間にカヤ(茅)などを敷いた床が用いられ,これらは,明治時代以降も,山村や離島の農家で使われていた。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報