小野古道(読み)おのふるみち

改訂新版 世界大百科事典 「小野古道」の意味・わかりやすい解説

小野古道 (おのふるみち)
生没年:1697-1782(元禄10-天明2)

江戸中期の国学者,歌人。長谷川氏。通称は謙益。遠江(とおとうみ)に生まれたが,失明後は鍼医を業とし江戸に住した。賀茂真淵の,江戸における最初の門人和歌に優れ,万葉調と古今調を兼ねた典雅作風特色がある。遺詠《小野古道家集》は,清水浜臣により《県門遺稿》第2集(1812)として出版された。〈いざ今日はあづま少女に立まじり葛飾野辺に若菜つまばや〉(《小野古道家集》)。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

朝日日本歴史人物事典 「小野古道」の解説

小野古道

生年生没年不詳
江戸中期の歌人。姓長谷川。通称謙益。医を業としたが中年にして失明,鍼術・按腹に転じて名を得たとされるが,真偽のほどは不明。江戸に下った賀茂真淵の最初の門人となったというが,これも判然としない。要するに清水浜臣編『県門遺稿』第2集に収められた『小野古道家集』以外に古道の人となりを知るに足る資料が乏しいので,実像は不明というほかはない。安永期(1772~81)まで生存したのは確からしく,加藤枝直との贈答歌が指摘されている。

(久保田啓一)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「小野古道」の解説

小野古道 おの-ふるみち

1697-? 江戸時代中期の医師,歌人。
元禄(げんろく)10年生まれ。壮年で失明し,その後は鍼術(しんじゅつ),按腹(あんぷく)で知られた。古学や和歌をまなび,元文3年賀茂真淵の江戸での最初の門人となる。県門十二大家のひとり。家集に「小野古道家集」がある。天明2年以後死去。遠江(とおとうみ)(静岡県)出身本名は長谷川謙益。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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