小指(読み)コユビ

デジタル大辞泉 「小指」の意味・読み・例文・類語

こ‐ゆび【小指】

手足のいちばん外側にある、最も小さい指。こよび。
妻・妾・愛人などを俗にいう語。小指を立ててその意を示すこともある。
[補説]書名別項。→小指
[類語]親指人差し指中指薬指拇指食指高高指紅差し指

こゆび【小指】[書名]

堤千代小説昭和14年(1939)発表。昭和15年(1940)、第11回直木賞受賞。受賞時の年齢22歳は、当時の史上最年少。

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精選版 日本国語大辞典 「小指」の意味・読み・例文・類語

こ‐ゆび【小指】

〘名〙
① 手足の第五指。最も小さい指。
落窪(10C後)一「しろき色紙に、こゆびさして口すくめたるかたを書きたまひて」
② 妻または妾、情婦などをいう。
※洒落本・五臓眼(1789‐1801)六「一日なりともこいつを小指(コユビ)にして見てへと」
遊女が客への心中立てに①を切ること。また、その指。→小指を切る
※雑俳・柳多留‐五二(1811)「傾城の小指で蔵へ穴を明け」
④ 遊里で、客や女郎女将をいう。
※洒落本・仕懸文庫(1791)四「ぢょせへはあるめへが、小ゆひにさとられねへやうによ」
⑤ きわめてわずかなことのたとえ。小指の先。
※大本神諭‐火之巻(1920)〈出口ナオ〉大正七年旧三月一五日「乙姫殿の御働きは、世に出て居れる方の守護神では、小指の真似も出来はせんから」
[語誌](1)「季指」の訓として「十巻本和名抄」に「古於与比」、「観智院本名義抄」に「コオヨヒ」、「色葉字類抄」に「コユヒ」とあるところから、小指の呼称は「コオヨビ」「コオユビ」「コユビ」と変化してきたことがうかがわれる。
(2)「色葉字類抄」以後現代にいたるまで「コユビ」が小指の呼称の中心となっているが、中世には、指の古い呼称「オヨビ」の意味が分からなくなり、「オ」を「小」と解して、小指の意味であるとした例が見られ、近世には「小指」を音読した「ショウシ」や、俗語的な「コイビ」もあるが、一般的な呼称にはならなかった。

しょう‐し セウ‥【小指】

〘名〙 手足のゆびの第五指。五指のうちの最小指。こゆび。季指。〔十巻本和名抄(934頃)〕
解体新書(1774)一「便耳者、謂之小指。又云耳指

こ‐さし【小指】

〘名〙 (「さし」は「さしもの(指物)」の略で、箱、机、箪笥の類) 小さい指物(さしもの)

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世界大百科事典(旧版)内の小指の言及

【手】より

…手根骨は手のひらの付け根のところにある小さい骨で,8個が4個ずつ2列に並んでいる。母指の側から小指の側へ,第1列は舟状骨,月状骨,三角骨,豆状骨,第2列は大多角骨,小多角骨,有頭骨,有鉤(ゆうこう)骨となる。これらの骨は互いに関節〈手根骨関節〉と靱帯で結合されているから,相互の間でいくらかは動くことができる。…

【手】より

…手根骨は手のひらの付け根のところにある小さい骨で,8個が4個ずつ2列に並んでいる。母指の側から小指の側へ,第1列は舟状骨,月状骨,三角骨,豆状骨,第2列は大多角骨,小多角骨,有頭骨,有鉤(ゆうこう)骨となる。これらの骨は互いに関節〈手根骨関節〉と靱帯で結合されているから,相互の間でいくらかは動くことができる。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」