小川(町)(読み)おがわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「小川(町)」の意味・わかりやすい解説

小川(町)
おがわ

埼玉県中央部、比企郡(ひきぐん)にある町。1889年(明治22)町制施行。1955年(昭和30)八和田(やわた)、竹沢(たけざわ)、大河(おおかわ)の3村と合併。JR八高(はちこう)線と東武鉄道東上線が小川町駅で接続し、国道254号が町の中央を通る。隣接する嵐山(らんざん)町に関越(かんえつ)自動車道の嵐山小川インターチェンジがある。秩父(ちちぶ)山地東麓(ろく)の小川盆地にあり、槻川(つきがわ)が流れる。江戸初期からの市場町で、当時から和紙絹織物酒造そうめんなどの地場産業が発達していた。最近の和紙は手漉(てす)き業者のほか、機械漉きや、加工紙業者によって生産されている。1994年(平成6)小川和紙(細川紙)の技術が国指定重要無形文化財に指定された。細川紙は2014年(平成26)には「和紙―日本の手漉和紙技術」として、岐阜県美濃(みの)市の「本美濃紙」、島根県浜田市の「石州半紙(せきしゅうばんし)」(石見半紙)とともにユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録された。このほか、建具もこの町の特産品で、障子、フラッシュドア(玄関用ドア)などの規格品もつくっている。北部の金勝(きんしょう)山には県立小川げんきプラザがあり、南部下里(しもざと)には国指定重要文化財の「石造法華経(ほけきょう)供養塔」、板碑のある大聖寺(だいしょうじ)がある。面積60.36平方キロメートル、人口2万8524(2020)。

[中山正民]

『『小川町史』(1961・小川町)』『『小川町の歴史』全10巻(1997~2003・小川町)』


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android