宮前遺跡(読み)みやまえいせき

日本歴史地名大系 「宮前遺跡」の解説

宮前遺跡
みやまえいせき

[現在地名]亘理町吉田 宮前

常磐線亘理駅の南方約二・八キロ、阿武隈山地の縁辺に発達した小丘陵上にある古代の大規模な集落跡。この小丘陵は河川浸食により他の小丘陵から切放され、独立丘陵となっている。丘陵頂面は標高約三〇メートルで、東は沖積平野が広がり、遠く太平洋を望む。古墳前期から平安時代竪穴住居跡五六軒・焼土遺構八基・土壙六基・遺物包含層などが検出され、多量の遺物が出土した。竪穴住居跡で最も多いのは古墳時代前期のもので、県下では発見例が少ない。この時期のものは、炉はあるが竈はまだない。古墳中期の住居跡には、炉・未発達な竈・完成された竈が設置され、以後は竈の設置が一般化しているから、住居における竈の成立過程を知るうえで興味深い。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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