宝引(読み)ほうびき

精選版 日本国語大辞典 「宝引」の意味・読み・例文・類語

ほう‐びき【宝引】

〘名〙 福引一種。数本の縄をたばね、その中の一本に橙(だいだい)の実(胴ふぐり)をつけてそれを引き当てた者に賞を出すもの。銭をつけて引かせることもあった。中世から近世にかけて、正月遊戯として行なわれ、家庭で行なうほかに、辻宝引飴宝引などの賭博(とばく)的なものもあった。《季・新年》 〔運歩色葉(1548)〕

たから‐びき【宝引】

〘名〙 くじ引きで、いろいろの品物を分配したり、景品を与えたりすること。福引。ほうびき。
歌舞伎五十三駅扇宿附岡崎の猫)(1887)序幕「やあ二百だね、こいつァ有難へ、立場へ行って宝引(タカラビキ)をやらう、大きに有難う」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の宝引の言及

【賭博】より

…後に一般化してまんえんしたが,当り番号の正確な数ではなく,〈百番の台,二百番の台のおよその番数を定めて賭銭をしておく〉(《御仕置例類集,天保類集》)というもので,何百台の数に賭けるので〈第付〉,または〈題付〉と呼ばれた。 農村では〈宝引(ほうびき)〉が婦人の間でも行われ,講の集りの娯楽となった。集まった人数分の,くじ紐の1本に銭を結びつけ,これを引き当てた者に賭け銭を渡す方法である。…

※「宝引」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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