宜・諾(読み)うべ

精選版 日本国語大辞典 「宜・諾」の意味・読み・例文・類語

うべ【宜・諾】

〘副〙 (平安以降には普通「むべ」とも表記される) あとに述べる事柄を当然だと肯定したり、満足して得心したりする意を表わす。なるほど。まことに。もっともなことに。本当に。
万葉(8C後)六・一〇三七「今つくる久邇の都は山河のさやけき見れば宇倍(ウベ)知らすらし
古今(905‐914)秋下・二四九「吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風を嵐といふらむ〈文屋康秀〉」
[語誌](1)「うべ」「むべ(んべ)」両形が現われるのは「うめ」「むめ」などと同じく、mb音の前での両唇鼻音の、仮名文字への定着のさせ方の差異である。
(2)本来は副詞だが、「うべなり」(形容動詞)など多くの語を派生した。

むべ【宜・諾】

〘副〙 ⇒うべ(宜)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報