官・司・長・首(読み)つかさ

精選版 日本国語大辞典 「官・司・長・首」の意味・読み・例文・類語

つかさ【官・司・長・首】

〘名〙
① (長・首) おもだったもの。主要なもの。また、主要な人物。首長。おさ。
書紀(720)神代上(兼方本訓)「吾児(こ)の宮(みや)の首(ツカサ)は即ち、脚摩乳(あしなつち)、手摩乳(てなつち)なり」
万葉(8C後)一八・四一二二「古よ 今の現(をつつ)に 万調(よろづつき) 奉る都可佐(ツカサ)と 作りたる そのなりはひを」
② 役所。官庁。大宝令の制では、省・台・職・坊・寮・署・監・府・使・庁などの名称がつく役所の総称。
※万葉(8C後)八・一六五七「官にも許し給へり今夜のみ飲まむ酒かも散りこすなゆめ」
蜻蛉(974頃)下「助、つかさのつかひにとて、祭にものすべければ」
宮廷につかえている人。官人。役人。つかさびと。
※書紀(720)仁賢八年一〇月(図書寮本訓)「是の時に国中に事無くして吏(ツカサ)其の官に称ふ」
源氏(1001‐14頃)須磨「ちかき所所の御庄のつかさめして」
朝廷から任じられる官職。また、単に、役目、つとめ。
※書紀(720)垂仁三二年七月(熱田本訓)「天皇厚く野見の宿禰の功(いさをしき)を賞(ほ)め給ひて亦鍛(かたし)所を賜ふ即ち土部の職(ツカサ)に任けたまふ」
※枕(10C終)一三九「除目につかさ得ぬ人の家」

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