妻良村(読み)めらむら

日本歴史地名大系 「妻良村」の解説

妻良村
めらむら

[現在地名]南伊豆町妻良

一色いしき村の西に位置し、西は駿河湾の妻良湊に面する。南浦みなみうら路が通る。妻浦とも記す。文治元年(一一八五)三月一二日源頼朝は平氏追討のため、「妻郎津」などに係留中の兵船三二艘に兵粮米を載せて出港させているが(吾妻鏡)、これは当地のことであろう。延元三年(一三三八)九月一二日伊勢のおお(現三重県伊勢市)を出航し、東国を目ざした宗良親王(後醍醐天皇の皇子)一行は大嵐に遭い、僚船は「女良ノ湊」などの湊に吹寄せられた(「太平記」巻二〇)。明応二年(一四九三)北条早雲に降った伊豆の武士の中に妻良の村田市之助がおり(北条五代記)、北条氏所領役帳では村田氏の役高として四〇貫文「妻良」、三〇貫文「福良」とみえる。福良は比定地不明。永禄元年(一五五八)一一月一日、北条氏は熊野新造船乗員を定めたが、そのなかに四人「妻良・小浦」とみえ、駿河国清水から網代あじろ(現熱海市)までの材木運搬を命じている(「北条家朱印状写」長浜大川文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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