妙法寺・最勝寺(読み)みようほうじ・さいしようじ

日本歴史地名大系 「妙法寺・最勝寺」の解説

妙法寺・最勝寺
みようほうじ・さいしようじ

平安時代前期、滋賀郡の比良山地で隆盛した南都系の古代山岳寺院。比良山地には比良三千坊・比良七百坊といわれるように、南都系あるいは天台系の山岳寺院が数多く建立され、一大霊場の観を呈した。比良山地の山々に今日でも堂満どうまん岳・蓬莱ほうらい山・権現ごんげん山・霊仙りようぜん山などの名がみえるのはその名残といわれる。「続日本後紀」承和九年(八四二)一二月一七日条の勅に年分度試制の教場として妙法寺と最勝寺の名がみえる。年分度試制とは各年度ごとの得度人員を限定しようとするもので、かつては南都の法相宗・三論宗の二宗一〇人と定められていたが、延暦二五年(八〇六)正月二六日の太政官符によって定数を一二人に拡大するとともに、華厳宗二人、天台宗二人、律宗二人、三論宗三人、法相宗三人となっていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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