奈良野村(読み)ならのむら

日本歴史地名大系 「奈良野村」の解説

奈良野村
ならのむら

[現在地名]菊川町奈良野

下内田しもうちだ村の東に位置し、菊川と牛淵うしぶち川に挟まれる。洪水の常襲地帯で長く苦しめられた。「延喜式」神名帳の城飼きこう郡二座の一、奈良なら神社の最初の鎮座地とする考えがあるが、つまびらかでない。正保郷帳に村名がみえ、田方三八石余・畑方四一石余、「日損」の注記がある。横須賀藩領。以後変化はなく幕末に至る。「遠淡海地志」によると家数四〇。「町家在東西往来」「横須賀城主 諸用ノ駅地、関東往来」「十二月廿六日 市有之」とある。村の中央を南北に縦断する道は一部秋葉街道(信州街道)とも重なる道で、横須賀よこすか(現大須賀町)から奈良野まで三里半、奈良野から布引原ぬのびきばらを通って金谷かなや宿(現金谷町)まで三里半、金谷宿から袋井宿まで二里、計九里の道をよこ往還とよんだ。

奈良野村
ならのむら

[現在地名]五十崎町福岡ふくおか 奈良野

小田おだ川東岸沿いの狭長な平野と背後丘陵とからなる小村。東は北表きたおもて村・弦巻つるまき村、南は名荷谷みようがだに(現肱川町)、西はひじ川を隔てて成能なるの(現大洲市)、北は宿間しくま村に接する。慶安元年伊予国知行高郷村数帳(一六四八)喜多郡の項に「奈良野村 茅山有、川有」とある。大洲藩領。元文五年(一七四〇)の「大洲秘録」によれば、米・大豆の土産がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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