奇に(読み)アヤニ

デジタル大辞泉 「奇に」の意味・読み・例文・類語

あや‐に【奇に】

[副]感動詞あや」に、下の動詞を状態的に修飾する格助詞」が付いて副詞化した語》言葉に表せないほど。なんとも不思議に。むやみに。
「柵越しに麦食む小馬のはつはつに相見し児らし―かなしも」〈・三五三七〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「奇に」の意味・読み・例文・類語

あや‐に【奇に】

〘副〙 (感動詞「あや」に助詞「に」がついてできた語。言葉に表わせないほど、また、理解できないほどの感動をいう) なんとも不思議に。わけもわからず。むやみに。→め(目)もあや
古事記(712)中・歌謡「この御酒(みき)の 御酒の 阿夜邇(アヤニ) 転楽(うただの)し」
鈴屋集(1798‐1803)九「見まつればあやにゆゆしくかなしきろかも」
[語誌]「あや」は、「あやし」「あやしぶ」などの「あや」と同源で、感動詞「あや」に基づく。上代にも既に程度の副詞としての用法が見えるが、時代が下るにつれて、「目もあやに」の形など固定化された修辞的な用法が主となる。

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