デジタル大辞泉
「奇に」の意味・読み・例文・類語
あや‐に【▽奇に】
[副]《感動詞「あや」に、下の動詞を状態的に修飾する格助詞「に」が付いて副詞化した語》言葉に表せないほど。なんとも不思議に。むやみに。
「柵越しに麦食む小馬のはつはつに相見し児らし―かなしも」〈万・三五三七〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
あや‐に【奇に】
〘副〙 (
感動詞「あや」に
助詞「に」がついてできた語。言葉に表わせないほど、また、理解できないほどの感動をいう) なんとも不思議に。わけもわからず。むやみに。→
め(目)もあや。
※
古事記(712)中・
歌謡「この御酒
(みき)の 御酒の 阿夜邇
(アヤニ) 転楽
(うただの)し」
※
鈴屋集(1798‐1803)九「見まつればあやにゆゆしくかなしきろかも」
[
語誌]「あや」は、「あやし」「あやしぶ」などの「あや」と
同源で、感動詞「あや」に基づく。
上代にも既に
程度の副詞としての
用法が見えるが、時代が下るにつれて、「目もあやに」の形など固定化された修辞的な用法が主となる。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報