大隅石(読み)オオスミセキ(英語表記)osumilite

デジタル大辞泉 「大隅石」の意味・読み・例文・類語

おおすみ‐せき【大隅石】

珪酸塩鉱物一種ガラス光沢がある青色または黒色板状結晶六方晶系流紋岩デーサイト空隙などに産する。鹿児島県で発見され、昭和28年(1953)に都城みやしろ秋穂が新鉱物として報告した。名称大隅半島にちなむ。オースミライト

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改訂新版 世界大百科事典 「大隅石」の意味・わかりやすい解説

大隅石 (おおすみいし)
osumilite

化学組成は(K,Na,Ca)(Mg,Fe)2(Al,Fe)3(Si,Al)12O30・H2O。六方晶系,暗青色ないし黒色の柱状または板状結晶をなす鉱物。比重2.64,へき開はない。火山岩孔隙や石基に出現し,また熱変成を受けた火山放出物や先カンブリア時代の高変成相であるグラニュライトからも発見されている。この鉱物は高温低圧鉱物であるが,相平衡実験によると,圧力5~9kbar(深さ20~32km)までは存在しうる。鹿児島県垂水市咲花平の流紋岩からキン(菫)青石として報告されていたものが,1956年になって,新鉱物であることがわかり,大隅国にちなんで命名された。
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